【空室対策】管理の悪いマンションは入居率が低くなりがち 2019/02/15

アパート・マンションの前を通りかかると、しばしば自転車が乱雑に置かれた駐輪場を目にします。興味があって内見に来た方も、これでは「ここに住んでみよう」とは思いません。それもそのはず、「管理がずさんだ」というイメージを与えてしまうからです。みなさんがお持ちのマンションはいかがでしょうか?ちょっとしたことかも知れませんが。こうした細かいことが入居率を下げる原因になってしまいます。今回は意外と見落としがちな駐輪場の管理について取材してきました。

【あなたのマンションはなぜ空室が多いのか?】

マンション前の歩道を歩いていると、たまに無造作に留め置かれた大量の自転車を目にすることがあります。1階にお店があるわけではないので、買い物のために一時的に止められているわけではありません。「マンションには専用の駐輪場があるはずなのになぜ?」
理由を調べてみると、駐輪場に入りきらないくらい自転車を、入居者が勝手に置いていることが分かりました。どういうことでしょうか?本来、マンションの駐輪場は、部屋の数を踏まえて作られているはずです。家族の分も踏まえて多少多めに設けることもあるので、普通であれば入りきらないということはありません。それなのにどうして、駐輪場内に収まりきらないほどの自転車があるのか?原因は、入居者以外の自転車が混じっているためです。
例えば、以前住んでいた入居者が、自転車を置いたまま引っ越してしまうことがあります。1台、2台ならまだしも、それが何台も重なると、あっという間に現入居者が停めるためのスペースがなくなってしまいます。
また、隣のマンションの住民が勝手に駐輪場に自転車を停めているケースもあります。比較的に新しいマンションは、駐輪場自体がオートロックを抜けた先にあることが多いため、こうしたことはあまり起こりませんが、少し古いマンションだと、マンションの脇の部外者でも立ち入れるところに駐輪場を設けていることが多いため、こうしたことは頻繁に起こります。「たかが駐輪場くらいで…」と侮ってはいけません。駐輪場の状況一つで、マンション経営は良くもなるし悪くもなります。内見に着た方が乱雑に置かれた駐輪場や、マンション前に自転車が無造作に並べられた状況を見て、一体誰が「このマンションが気に入った!是非入居したいです。」と思うでしょうか?おそらくほとんどの方は「管理が行き届いていないし、何かトラブルがあっても対応が遅いのだろうな」「どんな入居者が住んでいるのかと不安になる」など、悪い印象しか受けないはずです。これでは入居率が上がるはずがありません。例え入居率が高かったとしても、おそらく入居者の質はそれほど良くないのではないでしょうか?管理を疎かにしては、健全な賃貸経営を持続することはできません。
駐輪場の状況が気になるのであれば、まずはどの自転車が現在の入居者のものなのかはっきりさせなければなりません。関係のないものは撤去する、これをするだけでも状況は改善します。ただし、これは一時的な対策なので、定期的に見回りするか、もしくは駐輪場が簡単に乱れないようにするための対策を行う必要があります。
駐輪場が部外者でも簡単に立ち入れるような状況であれば、ゲートなどを設けて入居者以外雅」利用できないようにする必要があります。これは、自転車の盗難を防止する意味でも効果的な対策です。ただし、設置に多少のコストがかかることに加え、扉を取り付けるためのスペースが必要になります。したがって、どんな物件でもできるわけではりません。また、自転車を整理整頓できるようにするために、駐輪機を設置するのもおススメです。
あまりコストをかけたくないという方には、自転車管理シールがおススメです。自転車を所有する入居者全員に専用のシールを配布し、シールのない自転車は不法に置かれた自転車だと判断して撤去すれば、すぐに駐輪場はきれいになります。毎年新しいシールに更新すれば、以前住んでいた入居者が放置していたものかどうかも一目で判断できます。シールは1枚100円程度で購入できるので、大きなマンションでも負担はわずかで済みます。
駐輪場の管理は簡単なようで意外と手間がかかるため、ついついおざなりにされがちです。しかし、杜撰に管理していると大きなしっぺ返しを食らいます。もしもご自身で巡回するのが大変なのであれば、定期清掃の業者に頼んで、清掃のたびにちょっと様子を見てもらっておくだけでも随分状況は改善するはずです。
全国優良リフォーム会員は、不動産業に精通しています。マンション管理、賃貸経営に関するお悩みがある方は、一度ご相談くださいませ。

「住生活新聞 2019.02より抜粋」